【く】クローンが作れたら【50音エッセイ】
こんにちは、どっふぃーです。
ここ数年の生活で一番変わったことって何だと思いますか?
給料?治安?物価?
色々ありますが、僕は「生成AI」じゃないかと思うんです。
数年前までは精々Google翻訳程度で質問を入れると答えてくれるツールですら殆ど想像もしていなかったのに、今やChatGPTを知らない人はおらず、日本語であってもほとんどの質問に精度の高い回答をしてくれます。
さらにいうと生成AIは言語の枠組みにとどまらず、AI絵やAI曲などアートの分野にも登場してきており、もはやクリエイティブな世界に生きる人々全てにとってAIは強力な味方であり強大な敵、どう向き合っていくか誰もが頭を悩ませている最中でしょう。
とはいっても今の生成AIは深層学習によって知識を得ているようで、オンライン上に蔓延るビッグデータを背景にどんな質問に対しても既存のデータベースを組み合わせて最適解に近いものを提示する、記憶力のパワープレイをしているだけのようにも感じます。
自らで思考し、限られた情報から推測をかけて結論を見出していく、我々が想像していたような「人工知能」が生まれるのはまだまだ先なのかもしれませんね。
そんなこれからも発展の期待されるAI分野ですけども、僕は最近の機械学習ブームを見ていて一つやりたいなって思ったことがあるんです。
それが「自分と全く同じような言葉を喋るAI」を作ること。
今のChatGPTなんかはもう莫大な量の日本語データの蓄積を読んでいますから回答として返ってくる日本語もかなり綺麗で、日本語のマスターということが出来ます。
まあ普遍文法を持っている訳でもなければ助詞とか接続詞の働きを理解している訳でもないと思うので文法マスターではなくただのものまね芸人みたいなものかもしれませんが。
ともかく見かけ上は非常に美しい会話を成立させることができる訳です。
ただこれは日本語で存在する様々なデータを読ませたからこそ。こんな綺麗な日本語を話す人は面白くありません。
学習させるデータを作為的に抽出しもっと偏った日本語を学習させることだって可能なはずです。
巷で流行っているAI米津玄師みたいなね。(これは流石に一線超えてる気はしますが)
僕はこれを利用してもう一人の僕を作ってみたい。
もし自分と同じような物言いをするAIくんができれば、このブログももはや僕が書く必要はないのです。あなたが今読んでいるこの文章も、実はAIが書いていたりして…
まあそんなことはありませんが、実際自分の発言を一回お試しできるツールがあったら便利なんじゃないかなと思うんです。
僕がいなくても僕の意見を聞くことができる訳だから、会議とか出なくていいし進めている企画とかも勝手にどうぞって感じでやってもらえる。
友達のAIをもらって色んな人の感想を予測したりもできるから、プレゼンをしたり新しい曲を作ったり文章を書くときにも役立つこと間違いなしです。
さらにはそれぞれの人が自分の言葉を持つような世界になれば、AI同士での会話なんかもできたりするんでしょうか。そうなったらひろゆきAIにどう勝つかがきっと直近の課題でしょうね。
最終的には1人1AIだけじゃなく、世の中にいる頭のいい人たちだけのデータを集めた集積知AIを作って何でもとりあえず意見を聞いてみるようなこともしてみたい。
このように自分と同じボキャブラリーだけを持ったAIがいたら結構面白そうなことが多い訳です。
とはいえ言うは易し、実際に作ることを想定すると一筋縄ではいかなそう。
まずある人の言葉を大量に集めたとして、どれぐらいその人の考えを再現できるのかは疑問が残るところです。
人間は日々成長していきますからある時点までの発言で自分の考えが完全にコピーできるなんてことはなさそうですし、そもそもたかが20年そこらの発言、全部集めたとしてもデータベースとしては少なすぎるかもしれません。
頑張って発言集を全部集めて読み込ませて、さあ素晴らしいAIが作れる、と思ったらただ口癖だけが似ていて的外れなことしか言わないやつができる可能性は十分あります。
ChatGPTですらミスは見られるので、1人のデータベースで発言の完全再現は現実的には難しいかもしれませんね。
まあ完全再現ができるのなら我々の存在価値が疑われるようなことになるので、出来なくていいし出来てほしくもないですけど。あくまでお試しツールぐらいで使えたらいいな。
さて、自分のAIをつくる話に関連してもう一つ考えてたことがあるんですけど、みなさん自分のクローンが作れたら作ってみたいですか?
多くの人は作ってみたいとは思わないんじゃないかなと僕は推測してるんですけど、どうなんだろう。
いくら自分のことが好きな人でも、自分と同じ人がもう1人いたら大体嫌じゃないかな…
しかし現代の科学技術は相当なもの、意思の有無とか倫理を問わないのであれば、理論上クローンの生成はある程度可能なんだろうと思います。
とりあえず遺伝子配列の再現はできるかと思うので、エピジェネティクスのせいで三毛猫のクローンが作れなかったみたいな笑い話もありますが、大体の見た目は再現できるはず。
ということでちょっとクローンを作ることを考えてみましょう。
実のところ、僕みたいな一般人のクローンを作ったってだからどうしたという話ではあるんです、なんかやかましいマイペース人間が一人増えるだけなので世界にとっては微差か若干のディスアドぐらいでしょう。
ですがオリンピックメダリストとかノーベル賞受賞者とかのクローンが作れるなら飛躍的に人類のレベルが上がったりするかもしれません。
大谷翔平がいろんなスポーツをやったらどうなっていたのか、アインシュタインが哲学を極めたら何を見出したのか、気になりませんか?
こういうのを世間一般では「優生思想」と呼びます。非常にわかりやすい考えなだけに危険ですね、優劣の物差しを一元化してはいけないのです。
とはいえ現実的な話をすると身体組成が同じでも成長の過程が違えば知識や運動能力も変わってくるため、別にクローンを作ったとて体質とか見た目が同じだけで完全に同じ人間が出来るわけではないでしょう。
大谷ポテンシャルを秘めたBabyができたとしても、二刀流メジャーリーガー大谷はそんな簡単に生まれるはずがありません。やっぱりあり得ない努力と運の賜物に違いないのです。
しかし逆に言えば、育て方次第では今の欠点をなくすこともできるとも考えられる?
そう思うと一気に夢が出てきたな。僕のいいところだけ同じように育てて、これまでの人生の後悔してる部分だけ修正していく、非常に不健全な子育てをすれば最強のクローンが作れるってことなのか?
よし、今僕はこれを書きながら深夜にカップラーメンを食べていますが、クローンにはこんな人間にはならないようにしっかり教育しよう。(なおあまりに美味しい。最近ストレス溜まりすぎててやばいかも)
小さい頃公文式に通っていたのはどうやら良かったっぽいので継続、ピアノは気分に合わず辞めてしまったけど、結局中3で始めてそれなりに上手くなっているから、幼少期からやっておくべきだった。僕は文系だからクローンは理系に進ませよう。あとは社交性を身につけさせたい、今は酷すぎる。
はい、現実はそう単純ではありません、あってたまるか。
こういう人現実にもいますからね。ほんと人間って怖い。
最近よく思うのですが、成長の過程でどれがいい影響を与えてどれが悪い(というのも結果論的なのだが)影響を与えたのか、判断することは事実上不可能ですね。正直運ゲー。
僕はなんだかんだ東大に入って音楽とか絵とかもやってて結構楽しい生活を送らせてもらってますが、じゃあすごい努力したとか、綿密な計画を立てて自己強化をしてきたとかかっていうと全くそんなことはないですし、正直たまたまとしか言いようがありません。
それならこれまででゲームをしてた時間とか惰眠を貪ってた時間とか学校無断欠席して踊ってた時間とか削って計画的に生きてればもっと成長できたのかっていうと、これも絶対に違うと思うんです。
無断で学校休んだり、一日中友達と通話しながらゲームしたり、他人の家の壁で野球ボールの壁当てをしたり、夜中に大声で歌ったりしてきましたが、まあどうみても誉められた行為ではないものの、こういう酷い行動がなければ今の僕はないと断言できる。だってあまりに楽しかったんだもん。
そう考えると、一切の無駄と悪を省いた人生、そんなものはつまらないし、クローンを作るということはその偶然性を否定するような行為なのかもしれませんね。
思いつきで書き出した生成AIとクローンの話でしたが、脱線に脱線を重ねて人生の偶然性とか語り出してしまいました。ちょっと私生活の方が忙しくて推敲する余裕が無い…
継続が一番大事ということでそれでも頑張って週2更新は続けていきます。