【け】ケンタッキーの思い出【50音エッセイ】

2024年12月6日50音エッセイ

こんにちは、どっふぃーです。

これは僕が4歳かそこら、まだ小さかった頃のお話なんですが、ある日曜日、お父さんが僕を白鷺公園に連れて行ってくれたんですね。

白鷺公園ってなんじゃらほいって方がほとんどだと思うので軽く説明しておくと、白鷺公園というのは堺市東区にある公園で、ショウブが名物、10000株のハナショウブが植えられています。

春になると花を咲かせたハナショウブが一面に咲き誇りそれはそれは美し…

かったんでしょうか?

猫に小判、豚に真珠、赤子にショウブ。小さな頃の僕はショウブの花が咲いているかどうかなど微塵も興味がなかったので今となってはよく分からないのが正直なところ。

花の美しさは歳を重ねないと分からないもの。今でも桜ぐらいは見ますが彼岸花を見たいとかすすき野に遊びに行こうとかはあまり思わない性分ですので、ましてや4歳の僕がショウブを見て喜ぶはずがございません。

しかしですね、子供の記憶というのはなかなかに侮れないもの。ショウブの美しさはまるで記憶にありませんが、とある別の出来事のせいで僕はこの日のことを15年前にもかかわらず鮮明に覚えているのであります。

というのも、この日公園に行ったのは昼だったので、公園に着く前に昼ごはんを買っていこうという運びになりました。

そこで立ち寄ったのが本日タイトルにもあるケンタッキー。

そう、みなさんご存知チキンでお馴染みあのケンタッキーでございます。

もちろん4歳の僕には自決権などありませんから親が昼ごはんを買うわけですが、その時父が買っていたのがチキンバーガーのセットみたいなやつ(詳しい名前とかは知らない)とビスケット。

もしかしたらマクドナルドのハッピーセット的な感じでビスケットがセットについていたのかもしれません。

何が食べられのか興味深々の僕は、こうした父親の注文を聞いて「ビスケットを買ったらしい」という情報を得ることに成功。場合によっては食べたくもない焼き魚とかを食べさせられる可能性もある(ない)訳ですから、ビスケットはなかなか当たりをひいたと喜んでおりました。

そしていざ公園に向かい、昼ごはんを食べる頃に。

子供は大体ファストフードが好きなもので、僕も例に漏れずケンタッキーを大層楽しみにしていたため、大喜びでチキンやらポテトやらを食べていきます。

ところが、やっぱり当時の僕には量が多かった模様。

残念ながら最後まで食べ切ることができずお腹いっぱいになってしまい、ビスケットまで辿り着けませんでした。

泣く泣く親が持って帰ることになったのですが、ビスケットがあるという情報を既に得ている僕は満足がいきません。ビスケットを食べたいと当然騒ぐわけです。

その後は両者一歩も譲らぬ白熱の展開でありましたが、次の日のおやつにビスケットが食べられるという合意を取り付けることで何とか妥協が成立。次の日を心待ちにすることでなんとか4歳の僕は納得することに成功いたしました。

しかしながら!

次の日も、その次の日もビスケットは現れませんでした。

何かがおかしい、僕は騙されたのか?

親がビスケットを食べたのではないかという疑いの目と、ビスケットが食べられない失望に明け暮れていた僕ですが、まあ出てこないものをとやかく言っても仕方ない、無駄な戦は起こしたくないという考えで親と戦うことはせず、悶々としたまま日々は過ぎ、いつしかそのような事件があったことすら忘れて行ったのです。

そして時は流れ4年後ぐらいのこと。

我が家はファストフードをさほど好まないためKFCにいくことは多くないのですが、久しぶりにケンタッキーに行く機会がやってきました。

小学生になった僕は、自決権とは言わずとも親に意見をするぐらいの力は手に入れております。

ここで蘇るあの時の記憶。虐げられてきた日々、抑圧を乗り越え私は帰ってきた。今日こそはビスケットを食べるんだ!

そう決意をし、満を持してビスケットを注文。とうとう目の前に商品が…

「これ、公園行った次の日に出てきたおやつと一緒やん…」

以上ケンタッキーの思い出でした。皆さんアメリカのビスケットとイギリスのビスケットの違いには気をつけましょう。ちなみにイギリスのKFCにはビスケットはなくて、代わりにチョコチップクッキーがあるみたいですよ^_^

それじゃまた次回の記事で。