【あ】挨拶を考え直す会【50音エッセイ】

その他,50音エッセイ

こんにちは、どっふぃーです!

大学生活も半年が過ぎ、ある程度軌道に乗ってきて何か大きな取り組みを始めたいなと思いまして、このブログでも新企画を行うことにしました。

その名も「50音エッセイ」!

僕は毎月その月思いついたことを書き連ねたエッセイ集を投稿してるんですが、それをアップグレードし、「あ」から始まって50音を一文字ずつ進んでいき、その文字から始まるテーマでエッセイを書いていこうというものになっております。

まあ細々と説明するよりさっさと本題に入る方が分かりやすいかと思いますので、とりあえず第一回「あ」編をお読みいただこうかなと。

挨拶を考え直す会

世の中様々な言葉がありますが、50音順に辞書に並べた時に始めに思いつく言葉は「挨拶」ではないでしょうか。

勿論外来語でアートとかアーカイブとかはありますが、横書きでない日本語という話になれば挨拶に勝る単語を出すのは相当に難しいかと思います。

やはり何をするにも「礼に始まり礼に終わる」日本人の心のあり方を考えれば、挨拶という単語が始めに出てくるのも至極納得のいくこと、まずは「お早う御座います」と言って朝早くから精力的に活動していることを讃えあい、「今日は」と言って今日が今日であることを確認…

ん?

冷静に考えると「今日は」って何やねん。

おそらく「今日はいい天気ですね」とか「今日はお元気でいらっしゃいますか」とかの省略なんでしょうけど残すべきはどう考えてもそこではなかった。

皆さん頭を冷やしてください。「こんにちは」と聞かれているのだから答えるべきなのは今日の日付か天気でしょう、何を呑気に「こんにちは」と言い返しているんですか。

まあ気持ち悪過ぎますけどね。

Aさん:「こんにちは」

Bさん:「晴れですよ」

こんな会話出て来たら。

(イラストやで再現絵を作ろうかと思いましたがあまりにも馬鹿馬鹿しいのでやめておきます。)

ともかく「今日は」はとりあえず「今日はいい日ですね」の省略であると考えておきましょう。それなら問題なし…

かと思いきやそうでもないんですね。

イントネーションが実はおかしくて、標準語だと挨拶は「こ→んにち→は」と全て平坦なアクセントで読まれるんですが、はを助詞だと捉えると「こ↓んにち↓は」と「こ」にアクセントをつけて「は」では弱く発音し音程も下がるか同じになるのが自然です。

挨拶になって慣習化されてるんだからいいだろう、うるさい奴だなとお思いかもしれませんが、この時代になっても「わ」で無く「は」を性懲りも無く使っている癖に1単語と言い張るのは無理がある。

余談ですが「こんにちは」をさっきの後者のアクセントで読んでみてください。どこと無く方言っぽい感じがしませんか?僕の地元南大阪でもこんな感じのアクセントは珍しくなかったですし。

こんなところから方言周圏論が得られるなんて面白い話ですね。

さて、「こんにちは」論争はこの辺りにしておいて、もう一つ議論したいのが「お疲れ様」という挨拶。

仕事終わりだとか部活終わりだとかに「お疲れ様です」というのには全く異論が無いのですが(そりゃ疲れてるに決まってるだろうし)、日本人この挨拶濫用しがちなんですよね。

とりあえず目上の人と会ったら「お疲れ様です」、たまたま会った友達とちょっと話して別れ際に「お疲れ様」、みんなで外に遊びに行って解散するときに「お疲れ様でした」…

ちょっと疲れさせすぎではありゃせんか?

日頃の苦労を労うという側面はあるでしょうが、出会って開口一番やることが苦労を察するって悲しいなと僕なんかは思ってしまいます。

こんな挨拶使ってるから日本人は働きすぎだとか疲れてるだとか自己犠牲の精神が強すぎるとか言われるわけです。

どうでしょうここは一つ「お疲れ様」の変わりに「今日もいい顔してますね!」なんて言ってみるのは。

苦労を労うよりよっぽど元気出そうかなと思ったんですが。

え?ルッキズムにあたる?

生きづらい世の中ですね…

イスラームなんかだと「اسلام عليك」(あなたの上に平和在らんことを)なんて言って挨拶としているわけですから、日本でも「誰でもいいから神か仏か精霊かのご加護が在らんことを」なんて言うのがいいかもしれませんね。

何はともあれ、挨拶というのはすごく大事なもので、日々いろんなことがありますが変わりなく元気に過ごさせて頂いてますよという気持ちを「今日は」の一言に込め、様々苦労もあるかと思いますが今日まで生きてここに会えて良かったという気持ちを「お疲れ様」の一言に込めるわけです。

毎回同じ言葉を言うだけなんですが、そこに毎度同じだからこその美しさ、趣深さがあるということなんですね。

何かとSNSが浸透し情報化の波が絶えず押し寄せる世の中、リアルで会っての挨拶というのは軽視されがちですが、一度きり自分だけの人生、少々の不合理があっても様式美を大事にできる人間でありたいものです。

ということで第一回「あ」編はこの辺りでおしまい。

これから週2本を目処として「ん」まで何とか進めていきたいと思ってますので、是非次もお読み頂けると嬉しいです。

最後までお付き合い有難うございました!

あ、ちょっと待って。

これから49本もあるのに第一回で「有り難い」なんてことにはならないで欲しいかも…

最後までお付き合い有りふれて欲しいです!