【東大受験記④】年表を正しく書ければ論述は書ける!東大入試勉強法講座【世界史編】
こんにちは、どっふぃーです。
夏休みが終わり受験生にとっては勝負の2学期がやってきました。
ここからは中高一貫でない公立校の人たちもメキメキ力をつけてくるでしょうし、2学期にダレてしまうとあっさりまくられる、逆に2学期に着実な力をつけられれば合格が一気に近づく、そんな4か月間になります。
さて今回の記事ですが、受験勉強が本格化する時期ということで、各教科で実際に僕がとっている勉強法はどのようなものなのか?についてお伝えしていこうと思います(全3回)。
僕は割となんでも我流でやるタイプの人間なので、世間一般的に普通のやり方なのか異端なのかは分かりませんが、僕なりに結構考えて計画を組んでるので、1つの例として何かしらの参考にしていただければ。
それではまずは世界史から見ていきましょう。
世界史の勉強法
やはり文系の受験生として時間をかけたい教科は、知識量が勝負を分けがちな英語と社会の2つ。
その中でも知識がないとノーチャンスな世界史日本史は真っ先に取り組むのがいいかと思います。
僕は世界史地理での選択予定なので日本史は分かりませんが、世界史については一番力をいれて勉強しています。
そして僕がとっている世界史の勉強法がこちら!
「世界史全体の年表を自分で作る」
「10~11世紀の中国」とか「18世紀後半のフランス」みたいなやつですね。
こちら方法論としては目新しいものではなく、当然教科書なんかにも年表は載ってますしそれを真似して学習するというのはいたって自然な考えかのように見えます。
「俺ももうやってるよ」って人も多いかもしれません。
けれども年表を侮るなかれ。
下手な年表のまとめ方、情報の拾い方をしてしまうと、いくら勉強しても問題が解けない、解けたつもりでも点が入らないという事態になってしまいます。
逆に年表をしっかり把握できれば、少々知識不足でも点が取れる、そういう風に東大世界史はできているのです。
ということで今日のテーマは、「なぜ年表を作り覚えることが重要なのか!」、そして「具体的にどのように年表を作ればいいのか!」
これについて解説していきます。
東大世界史の特徴
東大世界史の問題構成は、大問1が大論述(600字)、大問2が小論述(60~90字)×6問ぐらい、大問3が一問一答×10問という構成でできています
各大問20点ずつの配点があり、合格者平均が40点程度。そして特徴的なのが2/3が論述であること。
教科書の単語を丸暗記して一問一答を完璧にしてきた、というだけでは絶対に通さないという強い意志が感じられます。
さらにいうと小論述は基礎知識の確認のような問題であり、単語だけで覚えている受験生を振り落とすために作られた大論述のおまけみたいなもの。
すなわち「知識丸暗記だけの人間はいらないから、大論述を書けるような知識の付け方をしてこいよ」が全体としてのコンセプトなのです。
このことを踏まえたうえで、大論述で何が要求されているのかを去年の問題を見ながら分析していきましょう
2022大論述
去年はトルキスタン史について指定語句を用いて書かせる問題でした。
これが受験会場で出てきたら僕の体温が10℃は下がっていたでしょうね。
だってトルキスタンの歴史なんて知らないもん。今何の国があるかすらわからない。
けれども安心してください、当然トルキスタン史を覚えてこい、などという話ではなく、与えられた語句から自然に連想される言葉を書いていけば、論述が完成するように作られているのです。
例えば最初の指定語句「アンカラの戦い」をどう使うかを考えてみましょう
アンカラの戦いはティムール帝国がオスマン帝国に勝利して小アジア地域に進出した戦いですから、ティムール帝国かオスマン帝国のどちらかがトルキスタンに関係していることが分かります。そしてリード文にある通りトルキスタンは内陸アジアですからティムール帝国がどうやらトルキスタンを支配していたのではないかと予想できますね。
同様に他の単語も内陸アジアに関係がありそうな出来事に絡めていけば、記述に使うパーツはトルキスタン史を何も知らない人でもほとんど完成させることができます。
(宋とかバーブルみたいな一見何の関係もない単語もありますが、宋はカラハン朝→カラ=キタイ(カラハン国を併合した)と自然に記述内で描くかと思いますのでそこから連想する、バーブルもティムールの子孫であることを知っていれば大丈夫)
つまり大論述で必要な力1つ目は「指定語句から沢山関連用語を引き出す力」!
細かい単語を知っていることは求められず、むしろ指定語句にあるような世界史における基礎単語を、しっかり理解し関連語句を思い出せる状態にしておくことが重要なのです。
さて、指定語句からパーツを組み立てることができれば大論述ステップ1はクリア!
しかしそれだけでは大論述で点は取れません。各パーツを正しく時代順に並べ替え、そして違和感のないように地域ごと、テーマごとにまとめ上げられて初めて大論述完成なのです。
そしてこの時必要となるのが2つ目の重要ポイントである「世界史全体の流れの把握」
教科書だとフランスならフランス、イギリスならイギリスだけを扱い1~2世紀分を説明する訳ですが、大論述でそういう特定の地域だけを聞く形式の問題は出てくれません。
上の問題でも解答を書く際には中世~近世のイスラーム圏、ムガル帝国、宋、清、ロシアが登場することになりますし、指定語句を見ても全く時代順に並んでくれてはいないため、複数の地域にまたがって時代の感覚を持っておくことが必要となります。
分かりやすく言うと「宋の次は元、元の次は明、明の次は清」という理解をしていては全く歯が立たず、「宋は10C後半~13C後半の国家、遼や西夏と和約を結んでおり、建国の960年ごろにイスラーム世界ではブワイフ朝のバグダード入城(946)があったりヨーロッパ世界ではオットー1世が皇帝の戴冠を受けるなど(962)の動きがあり…」という風な複数の地域にまたがる時代感覚が大事になるわけですね。
以上の2点
・指定単語に選ばれるような基礎知識から周辺知識を引き出す
・1地域だけでなく世界全体の流れをつかんでおく
をクリアすることが、東大世界史攻略の鍵といえるでしょう。
年表を書いてみる
ここまで読んだ皆さんなら年表がいかに重要かはすぐに理解できるでしょう。
なぜなら年表を作るという行為は、「様々な出来事の中から重要な出来事を抜き出し」、「それらを年号と共に時代順に並べ」、「他地域との横のつながりを一目でわかるようにする」ことに他ならないですから、まさに大論述で求められていることに合致しているのです。
特に多くある出来事の中から重要な出来事を選び出すというのがポイントで、大論述でありがちな「詳しく知っている地域についてだけつい余計な枝葉末節の情報を書いてしまい、全体の流れをとらえられていない」という事態をグッと減らすことができます。
それでは実際に僕が作ってみた年表がこちら。
おおよそ7C~9Cについてまとめています。
基本的には各地域ごとの年表を横に並べて4行にしただけですが、これでも各地域を個別に学習するよりはるかに世界全体の流れが分かりやすくなっています。
意識しているポイントをいくつか挙げると
・1つの国につき見開きで1/4ページ以上の情報は詰め込まない(上のノートでも4分割して1コマ1地域が基本になっています)
・国内事情や文化史はなるべく省き、対外関係に関わる情報を重視する。
・書きながら常に同時代の他地域の出来事を確認する。(横のコマを見るだけでいいので作ってしまえば教科書よりはるかに楽)
・大国間の戦いについては特に意識して覚える(ニハーヴァンドの戦い、タラス河畔の戦い…)
などですね。
そして最も重要なのが「自分の手で作る」こと。
やはり本を読んで覚えるのと丸写しでも自分の手で書いて覚えるのとでは定着度が全然違います。
テスト本番は自分の手で書いて答えないといけない訳ですから、普段から自分で書いて整理する習慣をつけておいて損はないでしょう。
実際頭の中ではわかっていると思っていても、意外と漢字が書けなかったり文章に起こすと違和感が出てきてしまった経験は皆さんあるんじゃないでしょうか?
そういう事態を起こさないためにも、一回書いてみるのがおススメ。
ついでに年表を作る際に僕が普段使っている参考書も載せておきます。
部分的にはこの資料集に載っている年表を写して、それを何地域も組み合わせていく感じなので、これを使えば世界史の知識が足りてないよって人でも問題なく年表を作っていけるかと。
是非使ってみてください。(画像はリンクになってます)
それでは世界史編はこのあたりで、次は英語編でお会いしましょう。
またね!
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